ジャンルごちゃ混ぜSSブログ*
テニプリ(リョ桜)*
イナズマイレブン(一秋中心、NLのみ)
イナイレでは一秋中心にいろいろ
感想とか好き勝手
今はとにかく一之瀬が好き
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見られたくない。
声だって聞かれたくない。
こんなにも、自分が独占欲が強いだなんて知らなかった。
自分のものでもないくせに。
声だって聞かれたくない。
こんなにも、自分が独占欲が強いだなんて知らなかった。
自分のものでもないくせに。
**空に落とすため息は**
「何見てんだよ」
ルームメイトの呼びかけに、リョーマはびくりと肩を揺らした。
手に持っている一枚のの写真。
それに心ごと引き込まれていたから、本当にいきなりかけられた声に驚いた。
驚きを隠そうともせずに、リョーマはうらめしそうに背後に立つ彼を見やる。
「オイオイ、ちゃっとノックしたんだぜ?」
思わず睨んだ俺に、その無粋なやつはアメリカ人らしいジェスチャーで大げさに「おおこわい」とリョーマに向かって白い歯を見せる。
その表情に、リョーマは毎度しているようにはあ、と大きなため息を落とさずにいられなかった。
もう反射とでもいえるほど、その表情にはため息をつきたくなってしまう。
テニススクールに通いだして二年目。
寮らしいものはあるにはあるが、古くて狭くて。
そのあまりの心地悪さに、リョーマはスクール近くのアパートメントに部屋を借り、
同じスクールのこのテッドとともにその部屋をシェアしていた。
その彼が、リョーマの部屋に殆ど無断で(彼はいつもノックしたと言い張るが)入り込むときには
何かの興味を引かれているか、誰かをナンパしたいと思っているときだった。
今日は、リョーマが朝から熱心に何かを見つめているのに興味を惹かれたらしく
思わず雑誌に挟み込んだ写真をどうにかして手にできないかと虎視眈々と狙っているようだった。
(…ったく)
別に。人が見たって面白くもないハズだ。
だから、いっそ見せてしまえばテッドの襲撃を受けるとはないのだと、分かっているのだ。
だがどうしても見せたくは無いという感覚が頭ではなくて、体中から発せられて。
リョーマはそのまま写真をはさんだ雑誌を無造作に本棚にねじ込んだ。
「オイ、もったいぶるなよ、わかってんだろ?」
「悪趣味」
「何とでもいえ」
そういって伸ばされた腕を引っつかんで、リョーマは部屋から彼をずるずると引きずり出していた。
**************
「心の狭い奴」
「その通り」
「へるもんじゃないし」
「減るんだよ」
「うそつきめ」
「その通り」
およそ体を管理する、という思考からかけ離れた「量」のみ溢れかえった食卓をはさみながら。
彼らはまだそんな会話を繰り返している。
体が求めるだけ胃袋にかきこむと、リョーマはさっと椅子を蹴って立ち上がった。
「シャワー、先に使うから」
「へーへ」
ステンレスの流しに皿を投げ込むと。
プラスチックの軽いそれらは、がらん、とからっぽの音を立てて流しに転がる。
それをなんとなく見届けてから、リョーマはバスルームへと向かった。
熱い湯が容赦なく体中を叩く。
その熱気で一瞬息が詰まるような感覚に襲われる。
めまいのような感覚は先程から幾度ともなく脳内を駆け抜けていく。
彼女を思い出し、その笑顔を視覚に捕らえるだけで
体の奥底から何かが湧き上がり、体中を覆いつくすのを感じる。
そのたびに、その湧き上がるものの激しさに
リョーマは目を閉じてじっと絶えるしかなくなってしまうのだ。
衝動。
あるいは、欲望。
それとも
それは渇望かもしれない。
はあ、と深く息をいて。
叩きつけるようなシャワーを止めると、もう一度からだの中の何かを追い出すようなため息をついた。
雫を払い、天を仰ぐ。
目を閉じると、リョーマは言葉を載せるように息を吐き出した。
このかすかなため息が、遠い空の下の彼女まで届くといいなんて、想いながら。
「何見てんだよ」
ルームメイトの呼びかけに、リョーマはびくりと肩を揺らした。
手に持っている一枚のの写真。
それに心ごと引き込まれていたから、本当にいきなりかけられた声に驚いた。
驚きを隠そうともせずに、リョーマはうらめしそうに背後に立つ彼を見やる。
「オイオイ、ちゃっとノックしたんだぜ?」
思わず睨んだ俺に、その無粋なやつはアメリカ人らしいジェスチャーで大げさに「おおこわい」とリョーマに向かって白い歯を見せる。
その表情に、リョーマは毎度しているようにはあ、と大きなため息を落とさずにいられなかった。
もう反射とでもいえるほど、その表情にはため息をつきたくなってしまう。
テニススクールに通いだして二年目。
寮らしいものはあるにはあるが、古くて狭くて。
そのあまりの心地悪さに、リョーマはスクール近くのアパートメントに部屋を借り、
同じスクールのこのテッドとともにその部屋をシェアしていた。
その彼が、リョーマの部屋に殆ど無断で(彼はいつもノックしたと言い張るが)入り込むときには
何かの興味を引かれているか、誰かをナンパしたいと思っているときだった。
今日は、リョーマが朝から熱心に何かを見つめているのに興味を惹かれたらしく
思わず雑誌に挟み込んだ写真をどうにかして手にできないかと虎視眈々と狙っているようだった。
(…ったく)
別に。人が見たって面白くもないハズだ。
だから、いっそ見せてしまえばテッドの襲撃を受けるとはないのだと、分かっているのだ。
だがどうしても見せたくは無いという感覚が頭ではなくて、体中から発せられて。
リョーマはそのまま写真をはさんだ雑誌を無造作に本棚にねじ込んだ。
「オイ、もったいぶるなよ、わかってんだろ?」
「悪趣味」
「何とでもいえ」
そういって伸ばされた腕を引っつかんで、リョーマは部屋から彼をずるずると引きずり出していた。
**************
「心の狭い奴」
「その通り」
「へるもんじゃないし」
「減るんだよ」
「うそつきめ」
「その通り」
およそ体を管理する、という思考からかけ離れた「量」のみ溢れかえった食卓をはさみながら。
彼らはまだそんな会話を繰り返している。
体が求めるだけ胃袋にかきこむと、リョーマはさっと椅子を蹴って立ち上がった。
「シャワー、先に使うから」
「へーへ」
ステンレスの流しに皿を投げ込むと。
プラスチックの軽いそれらは、がらん、とからっぽの音を立てて流しに転がる。
それをなんとなく見届けてから、リョーマはバスルームへと向かった。
熱い湯が容赦なく体中を叩く。
その熱気で一瞬息が詰まるような感覚に襲われる。
めまいのような感覚は先程から幾度ともなく脳内を駆け抜けていく。
彼女を思い出し、その笑顔を視覚に捕らえるだけで
体の奥底から何かが湧き上がり、体中を覆いつくすのを感じる。
そのたびに、その湧き上がるものの激しさに
リョーマは目を閉じてじっと絶えるしかなくなってしまうのだ。
衝動。
あるいは、欲望。
それとも
それは渇望かもしれない。
はあ、と深く息をいて。
叩きつけるようなシャワーを止めると、もう一度からだの中の何かを追い出すようなため息をついた。
雫を払い、天を仰ぐ。
目を閉じると、リョーマは言葉を載せるように息を吐き出した。
このかすかなため息が、遠い空の下の彼女まで届くといいなんて、想いながら。
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