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ジャンルごちゃ混ぜSSブログ* テニプリ(リョ桜)* イナズマイレブン(一秋中心、NLのみ) イナイレでは一秋中心にいろいろ 感想とか好き勝手 今はとにかく一之瀬が好き
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月影には、寂しさが付きまとう。
水の底にうつるもうひとつの影はこんなにも近いけれど、決して触れる事ができないのだから。

***********

隣で、今日も帰り道を辿る。
いつしか 月も中天に昇っていた。
でもまだ沈みかねている夕日が、長い影をせわしない喧騒を遠くに聞く住宅街におとしている。
確かギリシャ神話では月は、女性を守る女神だという。
でも、日本の月の神様は男性だったなあ、などど桜乃は空に浮かぶ薄い月を見ながらぼんやり思った。


「何みてんの?」


リョーマは桜乃にちらりと目だけで視線を投げて、ぶっきらぼうに言葉を発する。
ぽかんと月を見上げていた桜乃は、はっとしてすぐに頬を赤く染めた。


「あ、その・・・月が、綺麗だと、思って。」


恥ずかしさからか、桜乃の言葉はだんだん小さくなっていく。
それでも、肩が触れるか触れないかの、この距離でリョーマの耳に届かないはずは無い。
桜乃の言葉に、リョーマは、ああ、といいながら空を見上げた。


「…俺は、月はやだ」
「え?」


月を見上げながら、リョーマがポツリと呟きそのまま立ち止まる。
一瞬反応の遅れた桜乃は、二、三歩進んだところで足をやっと止めた。
思いもかけない言葉が桜乃の耳をうち、その真意をはかりかね、少しだけ首をひねった。


振り返ると、彼はまだ空を仰いでいる。
月の青い光に照らされている彼の顔に、桜乃の目はそのまま釘付けになった。
リョーマの端正な横顔。だんだんと青さを増す月の光の中で
彼の姿は月光にまるで浮かぶように見え…桜乃は少し怖くなった。

(どこか遠くに、…行っちゃうみたい)


ぼんやりとしていると、ふとリョーマの視線が自分を捕らえている事に桜乃は気付いた。
じっとそらされることの無い視線。
強い光が宿った瞳に射抜かれるようにして、激しくなる心臓の音とは裏腹に体は動く事ができなくなった。


「俺は、やだ。…月に、…アンタを取られちゃいそうでさ」
「え?…月に?」


そういうと、リョーマはもう一度月を見上げた。
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