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ジャンルごちゃ混ぜSSブログ* テニプリ(リョ桜)* イナズマイレブン(一秋中心、NLのみ) イナイレでは一秋中心にいろいろ 感想とか好き勝手 今はとにかく一之瀬が好き
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**注意**


未来設定の上、パロディです。
一之瀬くんはアメリカから帰ってきて
秋ちゃんとともに雷門に通う、高校生です。


それでもいいよ、という方は「つづきから」どうぞ~











この願いを囁くのはもう何度めだろう















ウイスパープレイヤー

















アメリカから戻って雷門に再編入したオレは
またアキや円堂達とサッカーをすることになった。

一人で帰ってきたから、オレは一人暮らし。
1部屋の小さいけれどわりと綺麗なアパートを借りた。
近所には、秋の家もあって…まあ毎食お世話になっている。

そんなわけで、秋とは毎朝、毎夕学校への道を行き帰りする。
ときには自転車で。
毎日は、徒歩で。


高校に進学しても、相変わらずのサッカー三昧だ。
毎日、一番信頼できる仲間とサッカーができる事の幸せと
秋と毎日のように帰ることのできる幸せをかみしめて
オレは今日も、何度目の帰途を秋と辿っていた。



「…それでね、夏未さんってば、お塩とお砂糖間違えちゃってね。
それに春奈ちゃんが気づいて、違うお皿に乗せておいたんだけど
それを、メガネ君が食べちゃって…」
「ああ~、それであいつ、ベンチにずーっと寝てたんだな」


たわいもない会話に、笑顔が浮かぶ。
秋が笑顔でオレを見るものだから、オレも思わず笑顔になった。


「あ、そういえば、明日、数学のミニテストだって」
「ええっ!本当?うわ…オレ今日寝てたから何も聞いてないや」
「えー?もう~」
「ど、どうしよう、アキ!あの先生絶対追試するんだよね。…わーサッカーできなくなる!」
「ふふ、一之瀬くん、円堂くんみたいなこと言ってる」


そういって口元に手をあてて笑う秋の頬が明るく染まる。
そうなんだ。
秋にそんなかわいい顔をさせられるのは…悔しいけど、円堂だけなんだ。
…オレは、いつまでもあいつには敵わないままなんだろうか。


「…しようね。…?…一之瀬くん?聞いてる?」
「えっ!」


突然視界いっぱいに広がった秋のくるりとした瞳に、オレの心臓は飛び上がる。
こうして二人きりの帰り道というだけでせわしなく動いていた心臓は、さらなる喜びの悲鳴を上げて
オレの息を絶え絶えにした。


「…っ!び、びっくりしたあ!」
「え?どうしたの?」
「あ、い、いや…」


胸を押さえて後ずさりしたオレに、秋は首をかしげてオレを見た。

―――ああ、なんてかわいいんだろう。

こんな状況でも、こんな事を思い、秋に見とれる自分に気づいて
オレははあ~と深いため息をついた。


「もう、聞いてなかったんだね」
「あ、ご、ごめん!」
「もう。今日の夕飯、家に来るでしょう?その時にノート見せてあげるから
一緒に勉強しようって言ったの」
「え?い、いいの?」
「うん。範囲もまだ狭いから…一之瀬くんは、何か用事がある?もしそうなら…」
「い、いや!ない!絶対にない!あるわけない!!オレ、アキと勉強する!」


オレの勢い余った言葉に驚いてか、アキはさらに目を丸くする。
一呼吸置いた後、アキは頬をピンクに染めてにこりと笑った。


「よかった!じゃあ、またあとでね!」


ああ、またかわいかった。
アキの背中が、彼女の家の玄関にたどり着く。
振り向かないかな…そんな事を思いながら、その細い背中を見つめる。

秋が玄関のノブに手をかけたのを見て、オレはそっといつもの言葉を小さく、口にした。


「アキ…君が、すき」


後ろ姿に、そっと囁く。
願いを込めて、そっと聞こえるはずのない、オレの声で。


「・・・はい?」


アキが脚を止めて振り返った。


「なあに?一之瀬くん」


少し離れた玄関の前から、秋がオレを振り返って言う。
オレはあまりの不意打ちに体が硬直した。
唇はまるで何かで張り付けられたかのように、全く動かない。
だって、聞こえるはずがない。
こんなに小さな声、聞こえるはずない。
届くはず、ないのに…。

焦ってオレが首をぶんぶんと振ると、アキはそう?と首をひねったが
すぐに少し笑うと、手を振って家の中に消えた。



「うそ、だろ」


聞こえるはずのない声。
オレの声。オレの願い。
君に聞こえたの?
ねえ、アキ。オレ、期待してしまうよ?




彼女が吸い込まれたドアを、見つめてオレはしばらく動けずにいた。



そして熱くなる頬と、高鳴る鼓動に翻弄されながら
オレは数時間後、余りに近いアキの顔に焦り
勉強には全く身が入らないことになるのは、また別の話し。












待ってて神さまhttp://nanos.jp/mattete/
ふわふわ系を目指した選択式お題より
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