ねえ、ときどき（一→秋）

凄く短い、一之瀬くんの独白

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いつでもオレは願っていた。
いつの間にか、それは当り前の様に日常になった。
君が彼を見ていると気付いたあの日から。


君の瞳を独占しているものが
その時間流れの残酷さをつきつけて
オレを責め立て、苦しさが増す。

言ってしまえば楽になるのだろうか。



少し離れたところにいる彼女の横顔。
笑っているその視線の先の彼は
…ねえ、君を見てはいないんだよ。

それでも健気な君は笑い続ける。
気付いてもらえなくても、きっと君は笑い続けるんだろう？


君が、そういう人だって知っているのに
知っていたのに
胸が苦しい。オレが、悲しい。



遠くにいる笑顔の彼女に話しかけてみる。


「ねえ、君はどこを見てるの？」
「どうしてそんなに綺麗に笑っていられるの？」
「君は気付いているの？」


「ねえ、オレは、君が好きなんだよ」





それでも変わらずに、君は笑い続けている。
周りのチームメイトたちがその笑顔に励まされて笑う。

でもオレは笑えない。
君のその笑顔を独占してしまいたいと、願ってしまったから。

秋、アキ。


かみさま
ねえ、ときどきしか願わないから
これだけは願いを叶えてほしい。

もう少し
彼女を誰のものにもしないで
もう少し
彼女の近くにオレを置いておいてほしい


そしていつか、笑顔がオレのものになってくれるように


かみさま
ねえ、ときどきしか願わないから
どうか…叶えて。