ジャンルごちゃ混ぜSSブログ*
テニプリ(リョ桜)*
イナズマイレブン(一秋中心、NLのみ)
イナイレでは一秋中心にいろいろ
感想とか好き勝手
今はとにかく一之瀬が好き
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時間も距離も、この気持ちは簡単に飛び越えてしまうんだ。
真夜中に携帯電話が小さく振動した。
だがその振動はすぐに消えて、秋がそれを手にしたときには
すっかり何事もなかったかのように静まり返っていた。
眠い目をしばたたかせて、時計を見やると真夜中の2時。
携帯を胸にかかえて、仰向けになりながら
秋はベッドの中でそれを抱えるようにして、再び目を閉じた。
この時間の携帯へのメールは、誰からだか分かっている。
眠いはずなのに、思わず口元がほころぶ。
(一之瀬くんらしい…)
いきなり現れ、「ただいま、アキ」と笑った
あの優しげな声が響いて、秋は胸の上の携帯を
ぎゅ、と抱きしめる。
一体、どんな内容のメールなのだろうか。
寝ぼけている今、それを見てしまうのは何故だかもったいない気がして
秋は携帯をもう一度大事に抱えると、そのまま夢の中へ
大切な幼馴染に会いに行く事にした。
*****
「あれえ~アキ、まだメールの返事くれなてないなあ」
泥と汗だらけの顔をタオルでがしがしと拭きながら
一之瀬は、バッグからいそいそと取り出した携帯を開いて
がっくりとした声を出した。
「なんだ、一之瀬。秋にメールしたんか?」
土門がひょいと後ろから携帯画面を覗くので
一之瀬は口をとがらせながらそれを隠す。
「なんだよ~、見んなよ」
「わりィ、わりィ」
にしし、と土門はさして悪びれていない様子で謝罪の言葉を口にすると
それでいつメールしたんだよ、と目の前の幼馴染に質問を投げた。
「秋がメール返さないなんて、珍しいじゃん。何か怒らせたんじゃねえの?」
「え!ま、まさか!アキはそんなに簡単に怒らないじゃん!」
あまりに真っ青になってあからさまにあわてる一之瀬に、
土門は苦笑しつつ、んで、いつ送ったのよと聞くと
「…練習前」
蚊の鳴くような声で返事が聞こえてきた。
「は?」
「だから、この練習の前」
携帯を弄びながら、ぶすっとするフィールドの魔術師を
茫然とした面持ちでみつめると
土門は
「あほか!日本は今真夜中だぞ!時差わすれてんじゃねえよ!」
叫んだ。
あ、そっかあ~、なあ~んだ!心配して損した!
と満面の笑顔になった一之瀬に土門は
真夜中に起こされてしまったであろう秋に、心底同情した。
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ひらがなで恋を想う10のお題より
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